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レースレポート:伊豆大島ふれ愛ランニングストーリー(2014)

■大会ホームページ
http://www.ohshima-ultra.com/

■レース概要
伊豆七島の中で最大の島である、大島を舞台として開催されるウルトラマラソン大会。100kmの部、58kmの部が設けられている。

■情報提供者
miekoさん

■レポート年
2014年


東京や熱海などから、フェリーで行くことの出来る伊豆諸島。その中で最大の面積をほこる大島で、毎年行われているウルトラマラソン大会がある。火山である三原山を含め、非常に過酷なコース。しかし例年多くのランナーが訪れる本大会へ、初ウルトラマラソンへのチャレンジとして訪れたmiekoさん。レースを通じて、見て、感じたこととは何だったのか。

<コースについて>

写真 2014-03-28 17 44 02100kmの部、58kmの部ともに、大島をグルッと1周(100kmは2周)する本大会。100kmの部に出走したmiekoさんは、コースについて「コースは、 平坦な道なんて1mも無かったと言いたいです。 緩やかな坂から急な坂まで様々な坂道が楽しむことができるので、坂好きにはたまらないコースだと思います。」と言う。坂道はできれば避けたい人が多いでしょうが、miekoさんはその辛さも含めて楽しめたのだろう。

miekoさんによれば、コース上で山場となったのは以下の3ヶ所だったとのこと。

  • 25〜30km
  • 40〜45km
  • 65km地点

30lm地点までは、見上げても見上げても続く登り坂。さらに強風がプラスされて、miekoさんは「今までに経験したコトのない心拍数を叩きだした気がします。」と、序盤から厳しいコースであることが分かる。30km地点まで4時間半ほどを要したと言うが、このとき、目標にしていた100km完走が自分の中で遠のいたことを感じたそうだ。一般的なレースと比べて、アップダウンの激しさが想像を上回ったのかもしれない。

そんなmiekoさんは、これまで走った最長距離がフルマラソン。そのため42km地点を過ぎてからは、一歩一歩が記録更新という喜びと感動を味わった。コースが厳しいからこそ、その嬉しさも大きかったのだろう。敢えて厳しいコースでチャレンジすることも、良いのかもしれない。

写真 2014-03-29 11 24 19本大会では、45km地点が第一関門となっている。その直前の数kmは、45km地点から折り返してきたランナーとすれ違い、励まし合えるようになっている。しかしそこまでの疲労に、さらなるアップダウンと強風がプラスされ、なかなか笑顔で挨拶を交わす余裕は持てないようだ。

しかし、そこに1つのオアシスがある。45km地点の第一関門を越えると、そこにあるエイドで『明日葉ソバ』が食べられるのだ。miekoさんも、「頭は100km完走なんてどっかいっちゃって、そば!そば!そばー!が一先ずの目標になりました。」と言う。大島ならではの食を楽しめることは、確かに1つのモチベーションとなりそうだ。

「明日葉ソバを食べたら、元気復活!実は45kmまで時間がかかり過ぎたこともあり、次の関門が間に合わないのでは…と心が折れかかっていたんです。辛いのはもう無理、100km完走できなくてもいいや!なんて、諦めモードに入っていました。しかしエイドでエネルギー補給し、そこからは穏やかな下り坂がプラスになって、予想外の快走になりました!」

坂を登れば、当然ながら折り返しは下ることになる。エイドで空腹を満たした後に快調に走れるコースが待っていることは、誰にとっても良いリスタートポイントとなりそうだ。

第二関門は58km地点。ちょうど島を1周して、スタート地点へと戻ってくるのだ。ここでは荷物を預けておけるので、着替えや補給食の補充などができる。miekoさんも、ここで数分休憩。ここまで来れたのが嬉しく、緊張が緩んで座って休んだそうだ。しかし、これが悪夢の始まりだった。

「残るはフルマラソン! なのに、一度座ったら足が動かないんです。」

写真 2014-03-29 9 44 2558km地点を出ると、緩やかな登り坂が永遠に続く。休憩ポイントで休み過ぎてしまうと、脚が動かなくなってしまうのだ。荷物のドロップは有り難いが、休憩の仕方にはくれぐれも注意したいところだろう。

ウォーキングとランニングを繰り返すようになり、口数も減ったというmiekoさん。このとき頭をよぎったのが、 「本当に辞めたい。って3回思うけど、それをクリアできたらゴールできるよ。」という先輩ランナーからのアドバイスだった。そして、「私は、今2回目がきてる。」 と65km地点で確信。苦しいながらも、今の自分を客観視しながら進んでいく。半分を過ぎている時点で、ウルトラマラソンは“自分との闘い“という点が大きいのだろう。これは、本大会に限らず言えそうだ。

そして、第三関門は70km地点。miekoさんは、この関門を制限時間2分前に通過した。この時点ですでに後ろにランナーはおらず(すでに収容されている)、最終ランナーになったという。

しかしここで、厳しい現実が判明。次の関門までの時間がとても厳しく、とても辿りつけない。「私の足では、関門に届かないことが確実になりました。」というmiekoさんの後ろには、収容車がピッタリ。スタートから仲間に伴走してもらっていたが、ここで先に行ってもらったという。

それでも歩を進め、75kmまで到達。ここで、miekoさんは収容車に乗ることになった。「70kmを過ぎてからは、走馬灯のように色々な想いが込み上げてきました。」というmiekoさん。本レースを通じて、悔しさ、そして楽しさの双方を感じられたようだ。

<エイドについて>

写真 2014-03-29 8 20 36本大会では、約5kmごとにエイドが設置されており、給水を取ることができる。また、エイドでは給食も充実していたので、補給はほとんどエイドに頼れたという。

「特に、明日葉そばと温かいお茶で救われました。その他に、梅干やお饅頭、かんぴょう巻が美味しかったです。」とのこと。スポーツドリンクが薄目に作られているのも、疲れたランナーにはちょうど良かったようだ。

「それと、最後のフィニッシュ地点で頂いた熱々の『島ちゃんこ』と、手渡してくれたお母さんの笑顔。とてもホッとしたことを、今でも鮮明に記憶しています。」という言葉には、スタッフやボランティアの方々が素晴らしいことも伺える。

<レースを終えて>

写真 2014-03-29 6 47 44「伊豆大島は、私のパワースポットのような場所。だから、どんなコースかなんて関係なく、ただ『ココで走りたい!大好きな大島だからいっぱい走りたい!』という想いだけで、100kmにエントリーしました。 実際、私の走力で考えたら厳しいコースだったことは間違いありませんでした。しかし、登った先に見えた緑と大海原の絶景、幻想的な富士山の姿。 信号機もなく、街灯もない、さらにはコース上も誰も居ない時もありました。 しかし普通のマラソン大会では味わえない、静かだけど、自然の強いパワーが私の苦しさを全部カバーしてくれました。

そして何より、人とのふれ愛。

初めて会うランナーさんとおしゃべりしたり、励まし合ったり、人の有り難さを感じました。運営・エイドスタッフの皆さん、誘導の方々、島の皆さんが本当にあたたかくて、復興への強い気持ちも伝わってきました。 エイドに着けば『待ってたよー!』と笑顔で迎えてくれるし、走っている間は『がんばってー!』の言葉に沢山励まされました。

最後尾となっても、行けるとこまでは行きたくて。 前に進むにつれ、完走できない悔しさよりも、ここまで来れたことの嬉しさや感謝の気持ちの方が断然強くなりました。 そして、75km地点で『ありがとうございました』の気持ちで収容車に乗りました。」

タイムを競ったり、記録を狙うレースがとても苦手だというmiekoさん。そんなmiekoさんにとって、ウルトラマラソンは「イマを感じて、ココを感じる。そんな楽しみ方ができる最高に贅沢で楽しいスポーツです」という。

完走者には、新島ガラスで作られた完走メダルが渡される。「とっても素敵なメダルを手にするために大島に戻ります!」と、miekoさんは意気込みを語ってくれた。

<今後ウルトラマラソンに参加される方へ>

初めてのウルトラマラソンを大島で終えたmiekoさんは、今後のチャレンジャーに向けてメッセージを残してくれた。

・自分の大好きな場所、興味や憧れの場所(テンションが上がります)

・経験者からのアドバイス(持物、トラブルの有無など、想定内だと慌てずに済みます)

・一緒に走る仲間。(ペースのアドバイスなど、とにかく励まし合える)

私は、この3つのお陰で全てを楽しむことができました。

走るのは自分ですが、人の支えや力は本当にエネルギーとなり励みになります。ウルトラは普通のマラソンとは全く違うスポーツだと教わりましたが、正にその通りだと思いました。 自分なりの楽しみ方が見つけられたら最高に贅沢で楽しい時間になると思います!