レースレポート:青島太平洋マラソン(2014)

■大会ホームページ
http://www.aotai.gr.jp/

■レース概要
宮崎県で開催されているマラソン大会。視覚障害者マラソン宮崎大会も兼ねている。フルマラソンの他、10km・3kmの部もある。

■レポート年
2014年


年内最後のレースを選ぶ際、記録だけでなく“楽しむ”という観点から、大会規模や自然環境などを重視する人は多いだろう。宮崎県に、青々とした海に面すコースで多くの応援を受けながら走ることのできるマラソン大会がある。それが、『青太(アオタイ)』の愛称で親しまれる青島太平洋マラソンだ。

■スタート前

受付は前日・当日の両方で行われている。あらかじめ案内が届くので、受付に渡してゼッケンや参加賞等と引き換えてもらおう。会場は広く、臨時駐車場からは送迎バスも出ていた。2014年大会では早朝にJR線で人身事故が起き、電車が一次運休になるというトラブルも。しかし、宮崎駅をはじめ大会会場までの臨時バスが運行されていたため、滞りなく大会が開催されていた。尚、電車の最寄り駅はJR線「木花」駅。ただし電車は本数も少ないので、バス移動も視野に入れながら余裕を持って行動すると良いだろう。

1点、荷物預けには注意が必要だ。事前案内に記載はされているが、有料で袋とシールを購入して預けるシステムになっている。料金は500円。スタート直前になると行列ができており、その場でゼッケン番号などを記入するのに物凄い混雑が起きていた。これを避けるには、会場へ着いたら最初に荷物預け用の袋とシールを購入。ペンを持参しておき、『荷物を預けるだけ』の状態で待機するのが良いだろう。あまり早く預けてしまうと、気温が低いので寒さに悩まされるかもしれない。

■スタート

写真 2014-12-14 8 44 39スタート30分前(8:30)から、ゼッケン番号順に整列する。スタートの直前までゼッケン番号が書かれたプラカードを持って、スタッフが立っていた。恐らく、エントリー時に申告したタイム順だろう。定員9,000人の大会ということもあり、かなり混み合っていた。

私は2ブロック目(1001〜3000番)に並んでいたが、号砲からスタート地点に辿り着くまでに約2分。スタート地点はあまり道幅も広くないため、かなり長い列になっていたことが想像できる。

トイレは各所に設置されているが、スタート地点周辺にもある。スタート直前になると誰もが列に並ぶため、トイレからは行列が消えていた。もしどうしてもトイレに行きたい人は、スタート直前(5〜10分前頃)がお勧めかもしれない。

当日はヘリによる地元メディアの空撮も行われており、アナウンスで知らされると、ランナーが空に向かって一斉に手を振っていた。こういう点からは、地元をあげて盛り上げようという姿勢が伺える。

■コース

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スタート直後は、2km程まで狭いコースが続く。そのため、ポジションによってはなかなか前に進めないだろう。脇道を通ろうと試みるも、木が植えられているので難しかった。記録を狙う方であれば、正しくタイムを申告しておかないと大きなロスに繋がるかもしれない。

しかし2kmを過ぎると、広い道路へと出る。すると、集団で走っていたランナーお次第にバラける始めて行く。むしろ良いウォーミングアップになり、いざ道幅が広くなってから、気持ちを切り替えて走れるという考え方もあるだろう。

コースは細かなアップダウンこそあるものの、全体的にフラットで走りやすい。記録を狙う方から初マラソン挑戦という方まで、おすすめのコースといえそうだ。

コースはすべて舗装路になっており、宮崎の繁華街付近も通る。ほとんど常に沿道からの応援を受けることができ、ボランティアスタッフもたくさんいた。ボランティアは高校生がメインのようで、元気な声は疲れた身体に力を注いでくれる。

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そして青島太平洋マラソンのコースには、もう1つ大きな特徴がある。それは”折り返し”が多いという点だ。つまり走っていると、何度も他のランナーとすれ違うことができる。チームなど仲間で出場している方は、すれ違いざまに

「ナイスラン!」

「頑張りましょう〜!」

「ファイト!」

などと声を掛け合うシーンも見かけられた。特に後半の疲れが溜まり始めたタイミングで、こうした声は大きな力になるのではないだろうか。また、

「ここ、さっき走ったよな」

なんて景色を楽しみながら走るのも面白いかもしれない。人によっては、宿泊先の近くを通過することもあるだろう。

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そして一番の見所と言えば、やはり大会名にもある“青島”だ。

約37kmで最後の折り返しポイントがあるのだが、そこから青島が間近に見える。大会中とはいえ観光客もおり、エイドに泊まりながら写真を撮影するランナーも多く見られた。

青島を起点とした周辺では、海辺を走ることになる。青々とした海に太陽の光が照りつけると、輝いてとてもキレイだった。レース終盤のため余裕が無いという方もいるかもしれないが、是非とも顔を上げて見て頂きたい絶景ポイントである。

尚、海岸沿いを含む最終6〜7kmは、やや道幅が狭くなってくる。しかしほとんど集団走行はなくなっているので、そこまで問題にはならないだろう。もしラストスパートを目論んでいるのであれば、少し早めにポジションを取っておくのがおすすめだ。

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最後はスタート地点に戻り、ゴールへとひた走る。実は直前にスタートゲートを通るのだが、私はそれを遠目に見て

「ゴールが見えた!」

と勘違いしてしまった。他にも、もしかしたら同じように勘違いした方がいるのではないだろうか。スタートゲートからはまだ数百mほど離れているので、誤ってペースを上げ、ゴール前で沈んでしまわないように注意したい。

ゴール付近はすでにレースを終えたランナーや沿道の応援、そしてボランティアスタッフの方々が大勢いる。少し離れた場所からでも、歓声が聞こえてくるだろ。これだけで、「やっとゴールだ」と疲れた身体も元気になってしまう。

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ゴール後には、学生ボランティアが出迎えてくれた。1人1人、丁寧にタオルを掛けてくれるのが嬉しい。気温が低く汗が冷えてしまうので、このタオルにくるまって寒さを凌ぐ人もいた。

その後、計測チップを回収してもらい、その場ですぐ完走証が発行される。自己ベストを更新した人、あるいは初マラソンを完走した人などは、この完走証を片手に家族・友人に報告したり、

「やった〜!」

と1人ガッツポーズしながら、達成感に溢れる姿を見せていた。大会によっては後から完走証が送られてきたり、Web上で速報が後日公開されるといったことも少なくない。もちろん多くのランナーはウォッチやスマートフォンなどでタイム計測しながら走っているが、すぐに正式記録を確認できることは、非常にありがたいポイントといえるのではないだろうか。

■エイド

エイドは水やスポーツドリンクを中心として、3〜5km程毎に設置されていた。何台も長テーブルが置かれているので、給水所もそこまで混雑していないようだった。中には日向夏みかんゼリーやパンなど、食べ物もあるのが嬉しい。ただしこれはランナー側の問題だが、給水所の近くには飲み終えた紙コップが散乱。脚を滑らせた人もいる。運営側ではちゃんと給水所のすぐ近くにゴミ箱を多数用意しているので、“ポイ捨て禁止”はマナーとして守りたい。

全体を通して、走力によらず走りやすい大会だったように思われる。記録を狙うのも、初マラソンの挑戦レースにするのもお勧めだ。ゴール後に耳を澄ませていると、「自己ベストを更新した」という声が多かった。

また、今回は少なかったが、沿道からの応援が多いので、仮装によるファンランも楽しいのではないだろうか。私は仮装して走ったが、常に誰かしらから声を掛けてもらい、テンションが上がりっぱなしで楽しいレースだった。年内ラストレースを飾るのに、選択肢として是非考えてもらいたい大会である。