レースレポート:第1回 奥出雲ウルトラおろち100km遠足

■大会ホームページ
奥出雲ウルトラおろち.jp

■レース概要

島根県奥出雲町を舞台に開催されるウルトラマラソン大会。2014年にプレ大会を行い、2015年に第1回大会が開催された。

■レポート年
2015年

■レポート種目

100kmの部


奥出雲町で初めて行われたウルトラマラソン大会。メインとなる100kmの部をはじめ、60kmの部も設けられている。尚、60kmの部はリレー参加も可能なので、仲間を誘って参加するのにも良い。ただし100kmの部について、実際の距離は102kmということだった。100kmの部では、累積標高差が3000mを超える。

■受付

受付は前日・当日に行われる。前日受付はそのまま前夜祭も開催されており、多くのランナーで賑わっていた。尚、受付場所は前日・当日それぞれ次の通り異なるので、注意しておきたい。

  • 前日:カルチャープラザ仁多(最寄り駅:出雲三成駅)
  • 当日:奥出雲町立横田小学校(最寄り駅:出雲横田駅)

私は東京から飛行機で向かったため、出雲空港でレンタカーを借りて移動した。いずれの会場にも駐車場は完備されているので、そこまで交通に不便さは感じないだろう。出雲空港からは、一般道のみで約60分だ。周辺には宿泊施設も多く、また温泉が点在しているので観光にも良い。

■レース風景

スタートは午前5:00。スタート地点は奥出雲町立横手小学校となり、体育館に荷物を預けられる。尚、ゴール地点も同様だ。荷物はその場保管の他に、中間ポイントへのドロップも可能。荷物に着ける札に、それぞれ指定カラーのマジックでゼッケンナンバーを記入しておく。

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スタート時点で周囲は真っ暗闇。運営側がライトで照らしてくれているが、コース上も暗いのでヘッドライトやハンドライトを持った方が良い。今回は朝から雨が降っており、多くのランナーが雨合羽やシェルウェア等に見を包んでいた。

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気温は8度。時間の経過に伴って標高が上がっていくので、半分頃まではほぼ気温が変わらない。雨が降っていることもあり、体感温度はこれより寒いように思えた。

雨が溜まって水たまりになっている部分もあり、暗闇ではダイブしてシューズが濡れてしまう人も。特に歩道周辺は少し溝のようになっているので、注意しながら進みたい。1時間も走ると、少しずつ周囲も明るくなってきた。

コースに関するレポートは別途お伝えするが、この大会はやはり景色が素晴らしい。コース上には常に緑が溢れていた。また、ときどき民家から出てきた地元の方々が「頑張って〜」と応援してくれるのも嬉しい。「どこから来たの?」と聞かれ東京と答えると、「わざわざありがとう」と握手を求められた。ではここで、本大会の見所とも言えるスポットを2つご紹介しておきたい。

<鬼の舌震>

レースが中盤を過ぎ、60kmに差し掛かろうかというタイミングで訪れる「鬼の舌震」。雄大な自然に囲まれた渓谷は、景色を眺めているだけで疲れが吹き飛ぶ。走っているランナーもいたが、一般の観光客も訪れること、また足場が木で痛めてしまう(濡れているので滑る危険も)恐れがあるため、すべて歩いた。吊り橋は、歩くだけでも揺れ動くので注意したい。

<おろちループ>

7つの橋で構成され、二重になったループ橋。その名が『ヤマタノオロチ』に由来する「おろちループ」は、ループ式道路としてその規模が日本一とのこと。コースはちょうど80kmを超え、残りハーフマラソンという地点。この「おろちループ」を上まで駆け上がり、折り返して戻ってくる。レース終盤の疲労、そしてその長さに、歩くランナーも続出したようだ。

このように、ウルトラマラソンと言いながら、“走る”以外の楽しみに溢れたレース。私も、つい何度もカメラを取り出し、シャッターを押してしまった。特にここでご紹介した「鬼の舌震」「おろちループ」では、写真を撮影したランナーが多かったように思われる。

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おろちループ手前では、龍の口から水が湧き出るスポットが。ちょうど晴れ間が出て暑くなってきていたので、美味しく頂きつつ顔を洗わせてもらった。気付かなかったランナーの方も多かったようだが、周囲に目を向けるといろいろな発見のあるレースである。

■コース

コースは基本的にアップダウン。平地はあまりない。急勾配な坂も点在し、最後まで走り切るには走り方にも工夫が必要ではないだろうか。「おろちループ」を折り返すとほぼ下り坂のみだが、ラスト5kmを切ってから現れる急坂には、つい笑いが出てしまう。

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ただし、地図がなくても道に迷うことはないだろう。コース上には、至るところに案内表示が置かれている。周囲に目を配って走れば、コースアウトする恐れはないはずだ。

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距離表示は、なんと1km毎に設置。これは、なかなか他の大会で見られないだろう。しかも面白いのが、距離表示がすべて“カウントダウン式”である点。通常はラスト10km頃からカウントダウン式になるのだが、このレースは最初から1kmずつ表示が減っていく。

コースは車道など規制されておらず、基本的には歩道走行が原則。地元の方もボランティアとして参加されており、曲がり角やどうしても車道を横断しなければならない場所などは、案内を受けることができた。そのため、誰でも安心して走ることができるコースと言えるだろう。

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ゴール地点はスタートと同じ。途中、残り3km程の場所を通ると、会場のアナウンスが聞こえてくる。校庭へ入る前にゼッケンナンバーを確認され、

「ゼッケンナンバー○○の三河さん、なんと東京都からのお越しです!お帰りなさい!」

なんて読み上げてもらった。タフなコースを疲労困憊でゴールまで辿り着いたランナーにとって、嬉しく感じられることだろう。私のゴールはまだ明るい時間帯だったのだが、日が落ちるとゴールまでの間に配置された灯籠に火が灯っていた。

尚、100kmマラソンと銘打つものの、実際の距離は102kmであることに注意しておこう。尚、私はガーミンのGPSウォッチ『Fore Athlete 920XTJ』を身に付けて走ったが、そちらでは結果的に約105km。参加ランナーの方々はあまり気にしていなかったようだが、あらかじめ認識しておくと良さそうだ。

■エイド

ウルトラマラソンと言うと、「どのくらい食べ物&飲み物を持っていけば良いのか」と不安になる方も多いはず。私は500mlのドリンクを持って走ったが、結果的に半分しか飲まなかった。また、持参したエナジージェルも食べることなくお持ち帰り。結論から言えば、むしろ手ぶらで走れる大会と言えるだろう。

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写真は20km弱の地点にある亀嵩駅のエイドで振る舞われた蕎麦。地元の美味しい食べ物が頂けるのは、とても有り難い。飲み物も水やスポーツドリンク、コーラ、さらにマッチが全エイドで用意。しかもエイドは、約5km毎にあるのだ。時期的にそこまで気温も高くないので、十分な量と言えるのではないだろうか。

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最も賑やかだったのは、約55km地点のエイド。ここは前日受付の会場となった「カルチャープラザ仁多」で、60kmの部のスタート地点となっている。ドロップ荷物が受け取れるのも、この地点だ。60kmの部は11:00スタート。私は10:30頃に着いたので、スタートを待つ大勢のランナーに拍手で迎えてもらった。エイドも充実しており、豚汁やおにぎりなど豊富。レース全体を通すと、次のような食べ物があった。

  • 卵かけごはん
  • 焼き肉
  • 焼きサバ
  • おにぎり
  • 豚汁
  • 蕎麦
  • 梅干し
  • あめ玉
  • 飲み物各種 など

ただし1点、注意したいことがある。本大会では、原則としてランナー自身がコップを持参することになっているのだ。自然豊な環境を走るレースだからこそ、エコな配慮と言えるだろう。エイドによっては紙コップを特別に用意してくれるケースも見られたが、できるだけコップは持参したい。

※写真撮影はSony「HDR-AS200V」を使用