• Home »
  • ランナー紹介 »
  • 「雑誌を通じて伝えたい思い。走ることの楽しみ方は1つじゃない!」|涌井 健策

「雑誌を通じて伝えたい思い。走ることの楽しみ方は1つじゃない!」|涌井 健策

ランナーの中には、書籍や雑誌をトレーニングなどの参考に購読されている方も多いことでしょう。特に雑誌は、毎回時期に合ったテーマで特集が組まれたり、有名選手へのインタビューが読めたりと、“楽しみ”の1つとして読まれている方も少なくないはずです。

ではそうしたランニング雑誌、実際に作っている人はどのような思いで制作しているのでしょうか。今回は、ランニング雑誌の中でも特色ある企画を多く打ち出している、NumberDo(文藝春秋)の涌井 健策さんにお話を伺いました。

■NumberDo出版をキッカケに、自らも走り出す

涌井健策 大学時代まで400m走の選手だったという涌井さん。もともと走る素地はあったものの、以前は週刊誌を担当して忙しい毎日を送っていたこともあり、走る時間などありませんでした。そんな涌井さんがランニングを始めたのは2010年。実はそのキッカケこそ、NumberDoの発刊にあったと言います。

「2010年の春頃に、NumberDoの企画が挙がりました。私にも声が掛かり、雑誌名を考える段階、まさに“立ち上げ”から関わらせてもらうことになったんです。」

ちょうど、Numberが創刊30周年を迎えた時期。ブームとなっていたランニングを中心に“DO”スポーツへフォーカスした専門誌としてNumberDoが動き始めました。

「どうせなら、他の雑誌とは違うものを創りたいと思いました。しかし、実際に何をすれば良いのか、何が求められているのかが分からなかったんです。そのため、大会運営者やランナーから話を聞くとともに、私自身もランニングに取り組むようになりました。」

NumberDoは、“読んで面白い”雑誌にしたいと考えた涌井さん。取材で様々なランナーに会う中で自分自身の興味・関心が広がっているとのこと。当初は半年に1冊のペースで刊行していたNumberDoも、2014年1月から隔週での発刊となり、多くのランナーから愛読されています。

■ランニングの楽しみ方は、人それぞれ違って良い

仕事、そしてランニングを通じて多くの人との繋がりが生まれている涌井さん。TwitterやFacebookなどソーシャルメディアも、貴重な情報源になっているようです。常に“面白い”情報へアンテナを張り、人に会うことを大切にする中で、多くのランナーや大会関係者等と多くの繋がりを持っています。

皇居RUNご自身でも多くのマラソン大会に出場されており、先日は富士山を舞台としたトレイルレースであるSTYを完走されました。自らもランナーであることは、NumberDoを作り上げていくうえで重要な要素なのかもしれません。そんな涌井さんにとって、ランニングの楽しみとはどのようなところにあるのでしょう。

「走ることのゴール、つまり興味の方向性は人によって異なり、決して1つではありません。それぞれが、多様な価値を持って走っているのだと思います。砂漠を走る学生やファッションに気を遣うランナー、走った後のビールを楽しむランナーなど、本当に目的も方法もバラバラ。私も絶対的な目標があるわけではないのですが、とにかく走ることが楽しいんですよ。」

涌井さんは、走るときあまりタイムを気にしないと言います。しかし、走っている際のフォームや身体の感覚を大切にしているとのこと。「身体を動かすこと、そのものが好きなんですよね」という涌井さんは、確かに自分なりの“楽しみ方”で走っているのでしょう。

涌井健策「NumberDoを通じて最も伝えたいことは、走ることに正解は1つではないということです。何を食べれば良いのか、あるいはどんなフォームで走れば良いのか。それぞれが異なる目的やゴールに向けて進む中で、選択肢はさまざまです。そして、自分と似たような価値観を持つ人たちと緩いコミュニティが作られていく。そのバラバラさ加減が良いんですよね。」

そんな涌井さんは昨夏『オトナのタイムトライアル』という、トラックでの5000mタイムトライアルを主催しました。長い距離を走ったり、山を走ったり、あるいはトライアスロンに挑戦するのも確かに楽しい。しかし、5000mだって楽しいはず。キツいイメージを持たれがちなトラックでのスピードレースも、また異なる楽しさがあると考えたそうです。まさに「正解は1つではない」ということを示す企画といえるのではないでしょうか。

 ■自らの興味・関心を、NumberDoで形にする

自らの興味・関心を形にできることは、NumberDoを作るやり甲斐の1つになっているそうです。例えばランニングを始めて、食事の摂り方が変化したという涌井さん。次第に、栄養なども興味を持って意識するようになったそうです。そして、NumberDoの企画として提案。そうして完成したNumberDoの表紙には、次のような見出しが書かれていました。

『RUN&EAT あなたの「走る」が「食べる」で変わる』

IMGP0782

こうした企画の発想も、涌井さん自身がランナーとして走ることを楽しみ、また探究心を持って取り組んでいるからこそ。仕事で得られる情報・知識をランニングに活かし、ランニングでの出会いや気付きを仕事に活かす。NumberDoは、まさにランナー目線から作られた雑誌と言えるでしょう。

皇居などをはじめ、月120kmほどを走っているという涌井さん。ロッテルダムマラソンへの出場を機に海外マラソンの楽しさを強く感じたとのことですが、今後どのような楽しみ方を実現していくのか、お話を伺っているだけでワクワクしてきました。