レースレポート:SuperRace(2014)

■大会ホームページ
http://www.superrace.org/SR3-1.aspx

■レース概要
台湾で開催される3日間のステージレース(全約133km)

■情報提供者
浜吉 勇馬さん

■レポート年
2014年


 <レース前日>
台湾南部高雄中心地からバスで3時間かけ、台湾最南端墾丁へ移動。ホステルにチェックインした後に、エントリー会場へ向かう。尚、会場では荷物チェックとメディカルチェック、レースブリーフィングがあるため、本レースでは前泊が必須。
19時からのレースブリーフィングでは、主催者から重要な話がある。今回は、トータル距離の変更増加が告げられた。111km予定から132km(実際は135km)に変更となったが、海外レースではよくあること。初めての海外レース参加では、注意しておきたい。

<レースについて>
レースは3日間にかけて行われる、ステージレースである。

■1日目:50km
朝4時、墾丁青年活動中心から全員でバスに乗り、スタート地点へ移動。天候は曇りだったが、気温は25度にもおよぶ。

レースは朝6:30、標高600mの大漢林道からスタート。エイドステーションでもある第1チェックポイント(以下、CP)は標高1600mとなり、ここまで16.5kmは路面状態の悪い舗装道をひたすら駆け上がる。尚、エイドステーションで受け取れるのは、水のペットボトル3本(1800ml)のみ。CP1からCP2までは16.5km。浸水營古道といわれる500年の歴史を持つトレイルコースを、標高100mまで駆け下りる。そして初日の野営地である達仁南田(標高10m)まで17kmを走り、1日目は終了。
尚。オフロードの河川敷、小川を抜けている最中に天気が急変し、豪雨が襲ってきた。衣類やバックパックが濡れて重量増加。走り疲れた身体には、なかなか堪える。豪雨の中を太平洋沿いに向けていくつか丘を越えると、海岸線沿いにたどり着いた頃には雨が止んでいた。しかし海岸線沿いは、「心を削られる」というほどに風が海から吹きつける。1日目のラストは、景色の変わらぬこの海岸線沿いを8km走ることになる。

走り終えた後は水道で身体を洗い、着替えて濡れた衣類を乾かす。ただし、シャワー室やプライベートスペースのようなものはない。大会側から用意されたテントは選手3人で使用。食事は主催者側からはお湯だけ提供される。浜吉さんは、持参したカップラーメンと高カロリーパン、アルファ米、甘辛肉、ナッツとビーフジャーキーを食べたとのことだ。

■レース2日目:72km
朝4時に起床すると、辺り一帯はまだ夜の暗さを残し、星空が光り輝いていたとのこと。朝食は、高カロリーパンとウィダーバー、カロリーメイト、エナジージェルを食べたという。しかしスタート10分前になっても、まだ選手全員は集まってきていなかった。
5時になると、達仁南田を予定通りスタートした。標高500mにあるCP1までは14km。暗闇の中を走るので、ヘッドライトが必要だ。CP1までの道のりは、延々と登坂だったという。CP1から標高300mのCP2までは10km。下り坂だが、両サイドが樹木に覆われていて湿度が高い。浜吉さんによれば、「霧の中を走るような感覚だった」とのこと。CP2から標高10mのCP3までも、同じように下り坂が続いた。
天候は徐々に回復の兆しを見せ、蒸し暑さが時間とともに上がっていった。CP3から標高5mのCP4までは10km。辺りが晴れると、美しい海と青空が迎えてくれる。海岸線沿いには、美しい景色が広がっていた。尚、浜吉さんによると、この海岸線沿いは軍事重要エリアであり、10年前までは立入禁止だったそうだ。「今なお、多くの軍事施設を残していました」と、その様子を教えてくれた。
CP4からは海際の砂漠(九鵬沙漠)を走り、標高200mにあるCP5を目指す。「河を渡り、小さな村を経てのぼり道へ続くコースは、ダイナミックに変化しました。」と言う通り、なかなかタフなコースだ。靴の中は砂交じりになり、河でビショビショになったという。浜吉さんは、ここまで42.84kmを5時間27分かけて走っている。CP5から標高40kmのCP6まで10kmは、ゆるやかな下りが続く道のり。60kmを越えた後、浜吉さんは脚が動かなくなったという。右足脹脛と両膝外側筋、左足付け根に激しい痛み。深呼吸をしようと思っても、上手く出来ないような状態だった。このことからも、コースの過酷さが伺えるだろう。道路脇やスリーピングマットの利用、CP6から野営地の佳樂水エイドではボランティアスタッフに手伝ってもらい、ストレッチしながら進んだという。しかしその間に浜吉さんを追い抜いたランナーは、エイドで立ち止まらず、水分補給のみを行って歩いて行ったとのこと。浜吉さんは「長距離では、動き続けること、立ち止まらないことが重要だと教わりました。」と、学びを教えてくれた。
ラスト8km脚の痛みとの戦いだったが、通り過ぎる車や原付に乗った人々がクラクションを鳴らしたり、ガッツポーズをしたり、ときには日本語で「頑張れ」などと声をかけて応援してくれたという。なんとも、人の暖かさを感じられる。

ゴール後、蛇口に付いたホースがあり、全身シャワーを浴びて衣類を軽く洗濯できた。ドクターがいたので、脚の痛みを相談してマッサージを受けられたとのこと。ランナーのケア体制はしっかりしているようだ。食事は、やはりお湯が提供されるのみ。浜吉さんはアルファ米とカップラーメン2個、高カロリーパン、ツナ、ナッツとビーフジャーキーを食べた。

21時頃から翌日のブリーフィングが開始されたが、3分の1の選手はまだ帰ってきていなかった。このブリーフィングで、フライドチキンとコーラの差し入れがあったという。「2日目のゴール地点である佳樂水は海沿いの場所で、海と星空がとてもきれいだった。」と、自然の素晴らしさも感じられたようだ。

■3日目:11km
朝5時に起床すると、東の空がだんだんと明るくなってきた。前日にもらったフライドチキンを、浜吉さんはこの日の朝食に加えたとのこと。尚、浜吉さんがルームメイトに昨日のゴール時間を聞いたところ、23時に帰ってきたという答だった。どうやら、最終ランナーは24時頃まで戦ったのだという。
6:45、選手全員で集合写真を撮影し、スタート地点まで全員で歩いて向かった。スタートは7:15、墾丁まで11kmの道程だ。美しい海岸線沿いを4km走り、海岸線の丘(風吹砂)を一歩一歩登っていく。丘の上からは道を離れ、まるでゴルフ場を彷彿とさせるような牧草地、そして樹木が生い茂るジャングルが広がる。ときに岩をよじ登り、密林を抜けていくと、解放感のある美しい景色が広がった。

ゴール後は最終ランナーの帰りを待つ間に、シャワーや帰りの準備を行う。浜吉さんは日の丸旗を持参していたが、ランナーやスタッフにもメッセージを書いてもらうことが出来たとのこと。

「直接、台湾の人たちに311の感謝の気持ちを伝え、私たちの友好を深めることができました。」

と、本大会への出走がいかに浜吉さんにとって良い機会になったかを教えてくれた。最終ランナーを全員で迎えた後は、表彰式とアフターパーティが開催された。

<レースを終えて>

superraceメダル「マラソン経験がないまま、海外レースにエントリーをしたことをキッカケとして走り始めました。練習を開始してから1ヶ月月間で、体重6kg減量に成功。そして、無事に135kmも完走すること出来ました。大会へエントリーしたことで広がる世界は、とても刺激的で楽しかったです。次回は、フルマラソンに挑戦したいと思います。」